父は既に亡くなり、母は都内の実家で兄夫婦と同居しています。
あまり考えたくはありませんが母も高齢であるため、
近い将来、実家の土地と建物の相続が発生する可能性があります。
私は25年前に結婚し、現在は夫と子ども二人と埼玉県の持ち家で暮らしています。
まだ母が健在ですので、兄と具体的に相続の話などできてはいないのですが、
相続発生時に現在の良好な兄妹関係を崩さず、できるだけ揉めないようにしたいと思っています。
相談者:50歳女性 兄:53歳/母:80歳
1.ご実家の売却が可能な場合
もし、兄夫婦が転居可能で、ご実家の売却が可能であれば、売却によって得たお金を2等分にし、相続します。
2.ご実家の売却が不可能な場合
もし、兄夫婦が転居することを望まず、そのまま兄夫婦が実家に住まわれる場合であっても、
相談者さまにはその相続対象不動産の2分の1を相続する権利があります。その権利をどうするかで3通りの選択肢がございます。
①兄が土地建物のすべての権利を相続することを認める
ご実家の土地建物の権利の一切を主張せず、お兄さまへ譲る方法です。
相談者さまが納得されれば兄妹間で揉めることはほとんどありませんが、いささか不平等感はあります。
②土地建物を共有する
ご実家の土地建物の所有権を共有にする方法です。
一見、お兄さまもそのまま実家に住み続けられ、資産は公平に分けた良い方法に見えますが、
実は問題の先送りであり、将来的に取り扱いが難しい問題に発展してしまう危険性があります。
共有にした当初は良いのですが、将来的に相談者さまやお兄さまがお亡くなりになってしまった時、
その共有分の相続で揉めごとが起こってしまうケースが多くあります。
公平に相続する手段として選択されることも多い方法ですが、
上記理由により専門家としてはあまりおすすめできません。
③土地建物全てを兄が相続し、その代わりに兄から妹へ現金を渡す
兄夫婦の住まいとなるご実家の土地建物はお兄さまが全てを相続し、
その代わりに兄妹がお互いに納得できる金額で、兄から妹へ現金を渡す方法です。
当人同士でお金の話をする難しさはありますが、方法としては悪い方法ではありません。
お兄様がすべての権利を相続することを認める以外の選択は、いずれの方法を選択するにしても、
自分から相手に対して話を切り出すのはなかなか難しいものです。
ご自身でそのようなお話をすることに抵抗がある場合は、専門家である第三者に間に入ってもらい、
上手く調整してもらうのも1つの方法です。